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千葉県眼科の加藤眼科です。日帰り白内障手術・緑内障治療・その他の眼科疾患に、経験豊かな専門医が対応します

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糖尿病網膜症

糖尿病網膜症とは

糖尿病網膜症は、腎症、神経症とともに糖尿病の三大合併症の一つです。糖尿病と診断されてから5~10年後に発症することが多く、コントロールの良い方にも発症しますので、定期的な検診が必要です。コントロールがかなり悪い方でも、最初の数年間は発症しにくいのですが、ひとたび発症すると、それまでのつけが一気に回ってきたかのように、それこそ“坂道を転げ落ちるように”どんどん進行して失明に至ることも少なくありません。実際、成人中途失明の主要な原因の1つとなっています。

糖尿病網膜症の治療

糖尿病網膜症の基本的な治療は、血糖のコントロールであり、日頃からの地道な治療が最も大切です。眼科的に網膜のレーザーや硝子体手術といった治療法がありますが、これらはかなり進行した場合に進行を少しでも抑えるために行われるもので、ひとたび視力が障害されると、回復しにくいこともしばしばです。
網膜症などの合併症が出現してから、血糖コントロールをまじめにやろうとする方もいらっしゃいますが、これらの合併症はある程度進行すると、血糖コントロールが良くても勝手に悪くなりますので、合併症が悪くならないうちに血糖コントロールを改善することが重要です。
糖尿病自体に自覚症状が早期には出ないのと同じように、網膜症においても、かなり進行するまで視力低下などの自覚症状は乏しいため、“まだ見えるから大丈夫”という自己判断は無意味なばかりでなく、危険ですらあります。経験上糖尿病網膜症の進行しやすい人は、食事制限の不十分な人(制限カロリー数をきちんと管理できない人)、内科や眼科への通院をたびたび中断する人、眼科の検診を受けない人、糖尿病罹患年数の長い人(10年以上)などで、特に40~50歳代位の比較的若い方は要注意です。
特に、ある程度以上進んだ状態にあると判断される場合、適切なレーザー治療を行うためには蛍光眼底造影によって網膜の血管や血流の状態を確認することが重要になります。

糖尿病眼手帳について

糖尿病診療においては内科と眼科の連携がとても重要ですが、実際の診療ではなかなか難しいのが現状です。

そこで、当院では「糖尿病眼手帳」(日本糖尿病眼学会発行)を取り寄せて診療に活用することに致しました。すでに内科等で類似の手帳をもらっていない方を対象に、手帳を無料で配布します。

この手帳には視力、眼圧、眼底等の所見とともに進行具合や次回受診の時期も記載されますので、内科の先生との連携に役立つだけではなく、受診忘れの予防にもなります。

ぜひ、皆さまご活用下さいますようお願い致します。

糖尿病網膜症の症例

【1:比較的進行していない例です】
網膜の点状出血とともに硬性白斑(あざやかな黄色の輪状の病変)、軟性白斑(境界不明瞭な白色病変)などが認められます。


【2:進行した増殖網膜症です】
すでにレーザーを施行された痕がありますが(褐色の斑点)、視神経乳頭付近に増殖性の線維膜が生じ、その部の新生血管から出血を起こしています。このような例でも、眼底の中心部が障害されない限り、視力は保たれますので、自覚症状はあてになりません。


【3:以下の例はかなり進行した場合のものです】
それほど多くはありませんが、ここまで来ると成人中途失明に至る可能性が高くなってしまいます。このような状態になる前に眼科で適切な治療を受けていれば何とか助かったのに・・・と思います。

視神経乳頭部の新生血管より硝子体出血を起こしています。このような出血が生じると、「墨を流したような」飛蚊症を自覚し、視力が低下します。
このような状態に至って初めて眼科を受診する方もいらっしゃいますが、すでに治療が難しくなりかけています。


中央にわずかに視神経乳頭が見えていますが、見えている血管はすべて硝子体中にのびた線維膜に沿って増殖した新生血管です。写真でははっきりしませんが、線維膜による牽引性網膜剥離も生じています。ここまで進行したら、かなり難しい手術が成功しなければいずれ失明するでしょう。たとえ手術が成功しても、日常生活に必要な矯正視力は望めないと思われます。

増殖期の糖尿病網膜症の蛍光眼底造影所見

1人の患者さんの右眼(左側)と左眼(右側)です。両眼ともに、周辺部の毛細血管網閉塞による無潅流野と、新生血管が生じています。特に、左眼の新生血管からの色素の漏れが著明です。

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