【1:比較的進行していない例です】
網膜の点状出血とともに硬性白斑(あざやかな黄色の輪状の病変)、軟性白斑(境界不明瞭な白色病変)などが認められます。
【2:進行した増殖網膜症です】
すでにレーザーを施行された痕がありますが(褐色の斑点)、視神経乳頭付近に増殖性の線維膜が生じ、その部の新生血管から出血を起こしています。このような例でも、眼底の中心部が障害されない限り、視力は保たれますので、自覚症状はあてになりません。
【3:以下の例はかなり進行した場合のものです】
それほど多くはありませんが、ここまで来ると成人中途失明に至る可能性が高くなってしまいます。このような状態になる前に眼科で適切な治療を受けていれば何とか助かったのに・・・と思います。
視神経乳頭部の新生血管より硝子体出血を起こしています。このような出血が生じると、「墨を流したような」飛蚊症を自覚し、視力が低下します。
このような状態に至って初めて眼科を受診する方もいらっしゃいますが、すでに治療が難しくなりかけています。
中央にわずかに視神経乳頭が見えていますが、見えている血管はすべて硝子体中にのびた線維膜に沿って増殖した新生血管です。写真でははっきりしませんが、線維膜による牽引性網膜剥離も生じています。ここまで進行したら、かなり難しい手術が成功しなければいずれ失明するでしょう。たとえ手術が成功しても、日常生活に必要な矯正視力は望めないと思われます。