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VDTとドライアイ

VDTとは

これはvisual display terminal、つまりコンピュータのモニターのことです。現代社会では仕事でもプライベートでも、コンピュータなどの画面を眺める時間が増えています。長時間にわたって画面を注視することによって、疲れ目、目のかすみ感、目の痛み、涙目、頭痛、肩凝り、吐き気などさまざまな症状が出ることがあります。これをVDT症候群(またはテクノストレス眼症)と呼びます。

ドライアイとVDTとの関係

ドライアイとは、目の表面を覆う涙の性状や分泌量の異常によって、目の表面が容易に乾燥する状態を総称する言葉です。この概念は最近、特にこの10数年の間に飛躍的に広まり、一般の方にもかなり浸透しているようです。研究が進められるとともに、ドライアイがいわゆる疲れ目(正式には「眼精疲労」)のかなりの部分を占めることがわかってきました。また、VDT作業とドライアイが、かなり密接に関わり合っていることもわかってきました。

VDT作業を行うオフィスワーカーを対象とした、ドライアイの実態調査(2001年、京都府立医大眼科による)では、1025人中320人、実に3割以上(!)の方がドライアイと診断されました。男女別では女性に多い傾向があり、さらにコンタクトレンズ装用者に多い傾向があったようです。

VDTがドライアイを悪化させる理由

前述の通り、ディスプレーを注視する状態が続くと、目の瞬きの頻度が少なくなることがわかっています。瞬きは目の表面に涙を均一に分布させるために重要な生理現象ですので、この頻度が減ると、目の表面の涙の状態も不安定になってしまいます。

コンタクトレンズは、ソフトでもハードでもドライアイを助長します。ソフトレンズは目の表面から水分を奪って乾燥を強めますし、ハードレンズではレンズが眼表面から浮いている部位に涙が吸い寄せられる結果、部分的に乾燥するところが生じてしまいます。どちらの場合でも、こすり洗いをしないなど、コンタクトレンズの手入れが不十分な場合には症状がより強くなります。
エアコンの利いたオフィスは湿度が低いことが多く、眼表面からの水分の蒸発を助長します。

車のエアコンの風など、目に直接風があたる状態は乾燥を早めます。
ディスプレーの置き場所が目よりも高い場所にあると、見上げる状態が続くため、開瞼した目の表面の面積が大きくなり、乾燥を早めます。

VDT作業を快適に行うための注意事項

こまめに、休憩をとりましょう(1時間作業したら5分くらい休む、など)。
作業中は、意識的に瞬きをしましょう。
お部屋の乾燥防止に注意しましょう(エアコンは控えめに、また加湿器の使用など)。
モニターは、なるべく目より低い位置に設置しましょう。
症状が強い場合は積極的に点眼薬を使用しましょう。
市販のコンタクトレンズ用の点眼薬がお勧めですが、眼科を受診すると、より保護効果の強い人工涙液の点眼薬を処方してもらうことができます。1日5回位を目安にして下さい。
コンタクトレンズ装用者は、レンズの手入れをより厳密に行う必要があります。
くもりやすくなってきたような古いコンタクトレンズは危険ですので、早めに新品に交換しましょう。
眼鏡をかけることによって、症状が緩和されることもあります。

ドライアイメガネ用の特殊なメガネカバーも、専門店にて販売されています。
上記の対策によって緩和されない場合には、お近くの眼科で検査を受けることをお勧めします。
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