通常は蛍光眼底造影検査によって網膜の血流の状態を詳細に調べた上で治療を検討します。
以前はレーザー治療がよく行われていましたが、最近は血管内皮増殖因子に対する抗体(抗VEGF抗体)の眼内注射が行われることが多くなっています。また、症例によっては硝子体手術の対象となる場合もあるようです。抗VEGF抗体や硝子体手術による治療は当院では行っておりませんので、近隣の施設をご紹介しています。
【網膜静脈分枝閉塞症の症例】
網膜中心静脈閉塞症
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網膜中心静脈閉塞症とは
網膜静脈分枝閉塞症と同様に網膜血管の破綻性出血ですが、網膜中心静脈本幹が視神経乳頭の奥の方で塞き止められて出血を生じますので、網膜全体にわたる出血を生じます。網膜中心静脈閉塞症は、しばしば血管新生緑内障を併発しますので、経過中には眼圧に十分注意する必要があります。
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網膜中心静脈閉塞症の治療
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網膜静脈分枝閉塞症と同様に抗VEGF抗体の眼内注射が最近は行われるようになっています。続発性の緑内障となって眼圧が上昇したら、レーザーによって網膜全周を凝固します。
出血の程度が軽ければ視力が戻ることも多いのですが、ある程度以上の状態に進むと視力の回復が難しい疾患です。
【網膜中心静脈閉塞症の症例】
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発症後まもなくの眼底写真。視力は(0.09) |
眼圧が40mmHgまで上昇したため
汎網膜光凝固を緊急施行。視力は(0.06) |
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レーザーから1年10カ月後の眼底写真。
黄斑部に線維性混濁が出現している。
視力は指数弁にとどまる。 |
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